よんでよかった 2
吠える声は形になりませんが、作者の田島征三さんはその声のガオという猛然としたひびきとエネルギーを、数えきれない木の実で画面一杯にみごとに造形表現します。
このあたりから読者は田島征三さんの魔力に呑みこまれてしまいます。
そのあとの一見支離滅裂に見える世界にこそ、この稀有の絵本画家のゆるぎないメッセージと、造形美へのあくなき探究心を感じとることができるのです。
それは大人よりも、子どもたちのほうがはるかに深く強く感じることができるでしょう。
ただ読み手の大人が拒否反応や疑惑を抱いていると、その気持ちは聴き手に敏感に伝わり、残念ながら子どもも絵本の世界へはいろうとはしません。