買収について
買収を食いとめるための闘争の費用は、買収が段階的に波及するにつれて急速に増大します。
ただ1人の買収者を見破り、それをうちのめすことは、全権力を手に入れることになります。
買収者の補佐をしている者たちを至網打尽にするには、さらに多くのえさがいります。
ただし、ヒエラルキー全体が買収されている場合には、追及の費用が経済的に耐え切れないものになるでしょう。
警察もまた、生きるためには食べていかなければならないからです。
そのうえ犯罪を犯すリスクは、買収の契約を結ぶ2人の主役が予想する費用の2つの要因のうちの1つにすぎないのです。
かれらは、それに加えて司法権力がかれらに課する罰をも考慮しなければなりません。
この司法権力自身も、判決を下す際に本来まったく自由の身だというわけではけっしてありません。
司法権力は必要とされる司法の独立がきわめて相対的な性格を帯びているとか、その地位がかれを他のもろもろの権力による意思決定のたんなる執行者の役割に引き下げるとか・・・
さらには刑罰を受けそうになった犯罪者がかならず司法権力にしかけてくる誘惑に屈する、といったことがあるからです。