買収について 4
買収の理論的分析から引き出される第3の結論は、おそらくこの現象の歴史的な変遷をたどりたいと思う者にとって、もっとも異論の余地のない、またもっとも興味深いものでしょう。
それは買収が短期的にはいちじるしく不安定だということにかかわっています。
というのは、買収者と収賄者が自然発生的にとり入れる戦略は、あらゆる社会がきわめて多様な強度で買収の状態に陥ることができるようにするということにあるからです。
買収の契約の量、その価格、それゆえ買収の社会的流量は非決定的です。
というのは、買収の絶対的・相対的重要度を即座に変更するためには、政治的.道徳的な権威の主意主義的な、あるいは寛大な態度が必要とされるからです。
たとえば、買収の慣行に対して道義的な非難を浴びせるのはもちろんのこと、管理を容赦なく強化し、司法当局の判断を厳しくすれば、その他の社会的慣習や社会的構造において変化のない社会で買収の比率を大幅に引き下げることが可能となります。
たしかにこの低下はつねに不安定なものです。
しかし、3つ子の魂百までではないのです。
しかも、この駆け足の速度を落とすことは可能です。
その逆に、政治権力が買収に対しておおっぴらに寛容な態度を見せることは、人びとの激高を引き起こすのです。